音楽が聴こえる
「……あぁ。そんなもん」

フッと大人の笑みを浮かべた悟さんの顔に、さっきの姿が重なった。

「そういえば悟さん、さっきうちの学校の地味先と話してましたよね」

「……あ? じみせん?」

俺の言葉が悟さんにはピンと来ないようで、首を傾げた。

「地味な先生、略して地味先。香田のことっすよー」

山路がニタリと笑って、俺の肩に手を回す。暑苦しい奴だ。

「ぷ」

悟さんの口から突然、変な音が漏れて。
その広い肩が震えた。

「……悟さん?」

「地味先ね。ははは、そりゃいーや、あははは」

ゲラゲラ笑いだした悟さんは、滅茶苦茶愉しそうだ。

「ゲホッゲホッ、あーツボに入っちまった」

悟さんって、笑い上戸かよ。


悟さんはようやく呼吸を整えて、俺らを見据えた。

「ところでお前達さ、今、どの位練習してんだ?」

う、俺の質問軽くシカトされてるし。

「そうですね、基本週1か2位ですけど」
< 21 / 195 >

この作品をシェア

pagetop