音楽が聴こえる
どんなに柔らかいタッチでも、何度となくイカされた体の記憶は貪欲で、体の奥がジンワリしてきた。

あたしが身動ぎすると悟は切れ長の目を細め、意地悪な口調になる。

「……したくなった? たまには茉奈ちゃんに奉仕して貰いてえな」

「……エロおやじ」

「セックスは対等のカンケーだろ。お前が良くて俺が良けりゃ、いうこと無しじゃねえ?」

悟の長い指先は、わざとあたしの急所を外して体の上を滑り出した。

何度も何度も気持ち良い手前で、あたしを引き戻す。

その拷問みたいな焦らし方に、体が揺れた。

さっきまで帰ろうとしてたはずなのに、体の奥が溶け出すのをあたし自身、止められない。

まるでセックスの虜ーー。

そんなことが頭を過った時、悟の手があたしの手を握って彼自身へと導いた。

悟のそれは既に大きくなっていて、いつの間にかゴムまで装着されている。

「……茉奈が入れて」

悟の命令とも懇願ともつかない口調に戸惑いながらも、あたしは頷いた。

あたしは悟の望みを叶えて、自ら彼を迎え入れた。













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