音楽が聴こえる
７．感じる心

side 茉奈

教務室があたしの憩いの場だとしたら、職員室は差し詰め、苦行の場だ。

先生方の間でも派閥みたいなものがあり、結構面倒臭い。

何処にも属さないという選択は、しがらみもない代わり、もちつもたれずの原理が働かないという厄介さ。

今のあたしはまさにそれ。


放課後の職員会議は、陵北祭１・２と呼ばれる体育祭と文化祭の担当を決めるのが主な議題だった。

昨年はこの時期、修学旅行の引率の補助を半ば強引に経験させられた。

今年は３年生付きとはいえ、担任を持っていないあたしは、暇人に分類されるようだ。

誰もやりたがらない仕事は、若手の先生に振られていく。

その中でも、調整が面倒な部活の発表会や生徒会主催行事などが行われる体育館責任者を押し付けられた。


「それじゃあ、早見先生と香田先生が陵北祭２の体育館責任者と言うことで」


……体育館責任者ってさぁ、絶対あいつらのことがあるからだよね。

< 67 / 195 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop