White Magic ~俺様ドクターの魔法~



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「瞬さんは、誰が主任になったらいいと思う?」


仕事帰りに瞬さんの家で食事をしながら聞くと、意外な言葉が返って来た。


「う~ん。睦美かな?」


冗談っぽくではなく、真剣に言ってるので笑えなかった。


「何言ってるの?木村さんか、後藤さんか、朝井さんの中の誰かやで?」


「へ~あの病院は、長く働いていたら実力がなくても役職がつくんや」


なんて毒舌なんだ・・・この人は。


「俺は、あの中で一番実力があるのは、睦美やと思うで」


ビールを一口飲みながらも、視線は私に向けながらそう言うと、最後に一言付け加えた。


「それに・・・一番かわいいし」


「何言ってんの?」


私、顔を真っ赤にして突っかかるが、相手はびくともしない。


「本音を言ったまで」


そう言うと、もう一口、ビールを入れて、「あぁ、旨い」なんて言う。


あぁ、完全に酔ってる。


「ねえ、なんで飲んでるの?送ってくれるんじゃなかったの?」


「うん。送るつもりないし」


ニッコリ笑って言うと、大きな口を開けてご飯を食べた。


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