White Magic ~俺様ドクターの魔法~
「次は、ももちゃんの番だね」
高倉さんが優しい笑顔で言ってくれたので、笑顔で「そうなると、いいですけど・・・」と答えた。
実際は、可能性は極めて低そうだ。
そう思いながらも、せっかくの言葉を台無しにするわけにはいかない。
隣で爽やかに笑い、高倉さんを見つめている旦那様を見ると、本当に高倉さんを愛しているのがひしひしと伝わってきた。
あぁ・・・いいな。
純粋に結婚っていいなぁって思う自分がいた。
「もも~これ佐々木先生に送っておくから」
耳元で囁くように言われ、私は束ちゃんのスマホを奪おうとしたが、彼の指の方が早かった。
【送信が完了しました】
ディスプレイに出ている文字を見ると同時に、私は束ちゃんに詰め寄る。
「余計なことを送ってないやろうね!」
束ちゃんのスマホを手に取り、送信メールの内容をチェックした。
【ももがブーケを受け取りました。次は、ももの番ですね!】
「あんたね・・・」
この男、ボーっとした顔して、こんなことして!!
「まぁ、いいやん。先生も意識してくれてるかもしれへんで~」
「余計なお世話!」
私は束ちゃんに背を向けると、高倉さん達に笑顔を向けた。
それにしても、あの写メとメールを見たら、どう思うやろう・・・。
私は、スマホを取り出しメールが来ていないかチェックしたが、入っていなかった。
そっか・・・昨日は当直だから家に帰って眠ってるんかな?
そんなことを思っていると、奈緒に呼ばれて写真の輪に入った。