White Magic ~俺様ドクターの魔法~


「次は、ももちゃんの番だね」


高倉さんが優しい笑顔で言ってくれたので、笑顔で「そうなると、いいですけど・・・」と答えた。


実際は、可能性は極めて低そうだ。


そう思いながらも、せっかくの言葉を台無しにするわけにはいかない。


隣で爽やかに笑い、高倉さんを見つめている旦那様を見ると、本当に高倉さんを愛しているのがひしひしと伝わってきた。



あぁ・・・いいな。



純粋に結婚っていいなぁって思う自分がいた。



「もも~これ佐々木先生に送っておくから」


耳元で囁くように言われ、私は束ちゃんのスマホを奪おうとしたが、彼の指の方が早かった。



【送信が完了しました】



ディスプレイに出ている文字を見ると同時に、私は束ちゃんに詰め寄る。



「余計なことを送ってないやろうね!」


束ちゃんのスマホを手に取り、送信メールの内容をチェックした。



【ももがブーケを受け取りました。次は、ももの番ですね!】



「あんたね・・・」



この男、ボーっとした顔して、こんなことして!!


「まぁ、いいやん。先生も意識してくれてるかもしれへんで~」


「余計なお世話!」



私は束ちゃんに背を向けると、高倉さん達に笑顔を向けた。



それにしても、あの写メとメールを見たら、どう思うやろう・・・。



私は、スマホを取り出しメールが来ていないかチェックしたが、入っていなかった。



そっか・・・昨日は当直だから家に帰って眠ってるんかな?


そんなことを思っていると、奈緒に呼ばれて写真の輪に入った。



< 256 / 307 >

この作品をシェア

pagetop