短編集
小さな恋とメッセージ(純愛)
 


 ◇◇◇


真新しい制服に身を包み、桜の花咲く校門を出た。


今日は高校の入学式だった。


入りたくて入った女子高。

白いセーラー服と、教会みたいな白亜の校舎に憧れて選んだ高校。


新しい友達と新しい環境が嬉しいはずなのに、心は暗く沈んでいた。



トボトボと駅に向け、歩を進める。


初めての電車通学は大人になった気分で、少し前まではこれも楽しみにしていた。


でも今は、やっぱり心が苦しくて溜息が漏れてしまう。



昼前の電車は空いていた。


シートに座り、流れる車窓の景色をぼんやり見ていた。



電車はガタンゴトンと、まるで私の心のように重たい音で走る。



一駅、二駅過ぎて行き、
三つ目の駅の手前で、見慣れた景色が広がった。



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