冷たい上司の温め方

顔は……メガネの下の目は切れ長で、どこか冷たい感じもするけれど、鋭い眼光のせいかできるオトコのオーラが出ている。

鼻はすらっと高いし、どう見ても、モテ男だ。

とても、あんな口のきき方をする人には見えない。


すぐにタクシーは高級マンションに辿りついた。

銀縁メガネは運転手にカードで支払いを済ませると、なにも言わずに、車を降りて歩いて行ってしまう。


「お客さん、降りられないんですか?」

「いえっ、降ります」


どうすべきか悩んだけれど、運転手に急かされた私はタクシーを降り、男に着いて行った。


「早くしろ。閉まるぞ?」


男がオートロックの鍵を開けて入っていくのを見ていると、突然声をかけられる。


「あっ、はい」

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