冷たい上司の温め方

「勝手に好きでいてもいいかな。
麻田さんがもし他の誰かとうまくいったときは、きっぱり諦める。
だけど、もし俺のこと少しでも考えてもいいと思ったら、その時は……」

「笹川さん……」


彼は本当に優しい人だ。
私だったらこんなセリフ、とても言えない。


「あー、俺ってこんなに女々しいキャラじゃなかったんだけど」と笑ってくれた笹川さんに、私は小さく頷いた。
心の中で「ごめんなさい」とつぶやきながら。

今は、楠さんにフラれたからといって、すぐに笹川さんの手を取るなんて、私にはできなかった。


そして、火曜日を迎えた。

私は朝からソワソワしていた。
だって今日は、林常務があの小料理屋に行く日だから。


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