他人と身内と

護VS杏

「次は誰にしようかなぁ。」


そういいながら、杏に目線が向いてることに気がつく。


それを防ぐように、喜々は杏の前に立った。


杏は一般人よりは優れているが、SKの中では一番の戦力外だ。


その行動に杏は察したのか、喜々の身体を避けた。


「大丈夫。.......護くん。私が相手になるわ。」


杏は前に足を進め、護の前に立った。


「女でも手は抜かない。」


護は刃を構えた。


杏も拳銃を両手に構える。


沈黙が流れ、両者はタイミングを探る。


その瞬間、沈黙がやぶれた。


先手を打ったのは、杏だった。


「.......っ!」


護の肩に弾がかすった。


「っち!」


SKで一番、動体視力が優れている杏が外すなんて...。


緊張してるのが伝わった。


「なかなかやるじゃねぇか。」


杏は拳銃を構え直し、タイミングをうかがう。


しかし、護の早さについてはいけなかった。


「きゃっ!」


護は杏の顔に刃を向けた。


「遅い。」


護は刃で杏のバンダナをとった。


「やっぱり杏ちゃんだったのか。」


護はバンダナがとれた杏の顔を見て、少し悲しい顔をした。


「気づいてたんだね。さすが、護くん。でも、手を抜きすぎたわね。」


護の頭には杏の拳銃が当てられていた。


杏の首にも護の刃が当てられていた。


「引き分けだな。」


護はそういい、刃を下ろした。


「力、抜いていいの?私、護くんを殺さない何て一言も言ってないけど?」


杏の拳銃はまだ護の頭に当てられたままだった。


「撃ってみろよ。」


護は杏を見つめた。


「.....本当に撃つよ?」


杏は拳銃の引き金に力をいれた。


「さようなら、護くん。」


..............バンッ!



拳銃の音だけがその場を奪った。


「.............空砲?」


護はニヤッと笑った。


「さっき拳銃を取り替えたんだ。」


護の手には拳銃が握られていた。


「....何が引き分けなのよ。これじゃ私の負け。.......殺して。私は覚悟できてる。」


杏は拳銃をおさめ、身体をさしだした。


「勝負はついた。それに女を殺る趣味はないよ。」


そう言い、護は杏に笑いかけた。


「..........ありがと」


杏は礼をいい、後ろへ下がった。


      第二戦


      護VS杏


   勝者      護



   死者     0人
< 24 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop