他人と身内と

護VS空海

「さて、お遊びはここまでってとこかな。」


護は首の骨を鳴らし、刃をくるくると回した。


「どっちが相手になる?SKのボス?それとも喜々?」


護は二人を指差し、答えを求めた。


「俺が先に戦う。」


前に出たのは、空海さんだった。


「だ、ダメです!
私が先に戦います!
もし、空海さんが死んだら誰がSKをまとめるんですか!?」


空海さんの赤いパーカーをつかみ、自分が前に出る。


しかし、空海さんは喜々の腕を掴み、頭をポンポンとなでた。


「次のボスはお前だ、喜々。」


「どういう意味....」


空海さんは喜々の話も聞かず、再び前に歩みだした。


二人は刃を構え、睨み合う。


空海さんはじりじりと足を動かし、隙を探っているように思える。


「空海さん.......死ぬ気だ。」


優喜が急にそう言った。


「は?何言ってんのよ!空海さんが死ぬわけないでしょ?!」


「でも、見ろよ!空海さん.......護身用の刃をつけてない。」


ハッとして、空海さんの左手をみる。


確かにつけていない。


その時、やっと気がついた。




"次のボスはお前だ、喜々"




「空海さん.....!」


自分が死んだら、次は喜々がSKを引っ張っていけ。


そういう意味だったんだ。


「いいのか?ボスさん。」


護は空海さんの考えを見抜いていた。


「あぁ。一騎討ちで勝負だ。」


二人は動く足を止め、刃を構えた。


そして、同時に走り出した。




「空海さん死なないで.....!」





沈黙が流れた。


バタっと倒れこむ。


「空海さん.....!」


雪崩落ちるようにその場に座りこんだ空海さんを抱きかかる。


「空海さん!!!!死んじゃ嫌です.....!」


みんなも駆け寄り、空海さんは微笑んだ。


「相手も.......傷をおった.....はずだ....。喜々.....とどめは任せた........。」


そう言い、空海さんは静かに目を閉じた。


「空海........さん?.......嫌........嫌ぁぁぁあああああ!!!!!!!!」




      第三戦


     護VS空海


   勝者      護


   死者      1人?
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