ナイトは××...☆

お酒を一口飲み、最初に口を開いたのは早苗だった。


「それにしても、あかりとこうやって飲むのも久々だよね。
一年振りぐらいかぁ。」

「だよねぇ。そっかぁ、もうそんな経つんだぁ。
はぁ、時が経つのって早い。」

「ハハ、そだね。」



ホント、この歳になってつくづく思う。
なんでこんなに時の流れって早いんだろうって。
ついこの間までは早く感じなかったのになぁ。

と、ふと考えてたら、早苗が聞いてきた。



「。。。で、あかり。最近どうなの?」

「え?う~ん、まぁぼちぼちかな。
小さな役は少しずつだけど増えてきてるし。大きな役は夢のまた夢だけどね。
そうそう、まだ結果待ちだけど
今日ゲームのオーディション受けてきてさ・・・」


と話してたら、隣でため息を吐く早苗。



「・・・はぁ、そうじゃなくて。」

「へ?何?仕事の話じゃないの?」


と、ぽか~んな私。
呆れた早苗が話を切り出した。



「そりゃあ仕事も大事だけどさぁ。
あかり、私達女性でしょ?歳もそれなりな歳になってきたし。
そろそろ恋愛話はどうなのってこと!」

「・・あぁ、恋愛ね~。ハハ、恋愛のこと、ねぇ。。。」



はぁ、早苗がついにこの話題を振ってくるとは。。



「この歳になるとそろそろ結婚も視野に入れ始めないと
どんどん遅れちゃうわよ?
付き合ってる人、いないの?」


ギクッ!・・それを聞きますか、早苗さん。。。
私は怖ず怖ずと答える。


「うっ、・・・いない。」

「じゃあ、好きな人とか、良いなって思ってる人は?」

「・・・それも、いない。」


と答えると、諦めたように早苗が言う。


「・・・そう。まぁ無理に作れとは言わないけど、
そこんとこ、少しは考えなよ。」

「ん~、だってさぁ、声優としてもまだまだじゃん?
だから、売れるまではっ(≧へ≦)!
って、そっちばっか考えちゃって、正直、恋愛はどうでもいいや
って今まで後回しにしてたというかぁ。アハハ。。。」

「え゛!!・・・あかり、まさかとは思うけど、今まで付き合ったこと・・・」

「ないよ。」

「ないよ。じゃないわよ!もう・・・。
・・・あっ、あんた、ひょっとして、まだ耕作のこと引きずって。。。」

「そんなわけないでしょ!もうとっくに吹っ切れてるよ。
・・あれは、過去の話。。」

「そう?ならいいけど。・・まぁあれからだいぶ経ってるもんね。
えっと、6年?だっけ?」

「・・・うん。」



そう・・6年前。
あの日をきっかけに
私は彼氏いない歴=年齢の道を歩むことになってしまったんだ・・・
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