有名店の店員さん

その時、カシャンと外の門扉の鍵が開いた音がした

「さて、美人だといいなぁ。ユイハの体を早く集めなくちゃね。」

そうコウハは言いながら、店内に戻っていった

「あのー金髪のアンティークドールありますか?」

え、この声...美衣

心配してきてくれたの...?

あのね、美衣

私コウヤについていくの

「ありますよ」

私、美衣のこと大好きよ

「あ、ほんとですか!やった!」

だから

「良かったですね。まあ、あなたにはわたしませんが」

私のために死んでくれるよね

「その金髪のアンティークは今できるんですよ。あなたを材料にして」

「や、やめてくださいよ。私は客ですよ?そんなの唯葉を使えばいいじゃないですか」

だって美衣は私を利用してただけなんだもんね

わかってたよ、なにもかも...

「逆ですよ」

コウハがすべて教えてくれたから

「あなたがユイハの材料になるんです」

ズシャという刃物を突き刺した音のあとの静寂に私は歓喜していた

『狂っている』

普通の人の誰もがそう思うだろう

そう、私は狂った

時は反対に刻み、歪んで狂っていく

「ユイハ、今ので全ての部品がそろったよ」

狂った私は壊れてく

          ククロセアトロ
「始めようか、《 κουκλοθεατρο》」

白すぎるほどの綺麗な肌

誰もが羨むような体型

手入れのいき届いた親友と偽る美衣の金髪

そして、コウハの目だったもの

コウハたち悪魔は体の自己治癒能力が非常に高いため、一部がなくなっても再生する

そのためコウハ自ら私にくれたのだ

「今日からユイハは僕のパートナーだ」

私は何があってもコウハ“様“のそばを離れない

「もちろん。コウハ様の命令とあらば。」

これがコウハとユイハ、ANGEL改め黒棺の眠り屋の始まりだった









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