SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~
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披露宴は行わなかった。


極度の緊張に君が耐えられるか心配だったという理由もある。







結婚式の後、友人たちを呼んだ小さなパーティーを開いた。



『おめでとう。』





バイキング方式で、料理が並べられている。


男性はスーツを着、女性は色とりどりのドレスみたいな服を着ている。




君は、白いウエディングドレスを着ていて、良く似合っている。




『滝島さん、写真撮りたそうな目をしていますね。』


君の親友の永井真由穂さんが話しかけてきた。





『分かりますか?しずくを撮りたくて、手がウズウズしているんですよね。』


永井さんは笑う。



『しずくちゃんの載った写真集見ました。

とても綺麗で、幸せそうで、良かったです。』



『真由穂ちゃんったら、本物より綺麗だなんて言うんだよ。』



君がすねた表情を見せたので、俺と永井さんは顔を見合わせて、笑ってしまった。

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