SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~
何枚も何枚も君を撮り続けた。


会うたびに、君はどんどん綺麗になっていく。


君の視線がいつも俺を見る。


君の目が、愛しげに俺を見つめる。




『ごめん。』



俺の突然の言葉に君は驚いた表情を見せた。



『俺、しずくさんの気持ちに応えられない。』




波の音が弾けた。


夕焼けの美しいオレンジの色に染まった君の瞳に耐え切れず、俺はそう言った。


空の色を海は映していて、白く黄色く輝く泡が、君の裸足の足を濡らしていた。

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