何度でもキミに初恋を
入道雲
私は片手にお弁当を持って、中庭に走っている。


もう片方の手で、綾ちゃんの腕をぐいぐい引っ張りながら。


『走るな』


青木先生に見つかって、慌てて早歩きをする。



『引っ張るな!痛い!』
綾ちゃんは後ろでわぁわぁと騒いでいる。



中庭について、私は日陰のベンチに座る。
初夏の日射しが、日に日に強くなってきたせいで、中庭には他に誰もいなかった。



『なんなのよ、もう。メイクが崩れる。』


綾ちゃんが文句を言う。



いつもは教室でわいわいみんなと食べるけど、今日は綾ちゃんにどうしても聞いてほしいことがあった。


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