何度でもキミに初恋を
距離
私は
『いってきまぁす…』
と言うと、玄関のドアを開ける。


そこには剣人の姿はない。


剣人は二週間前から、自転車通学をしている。


『急にどうして?』
剣人に聞いても

『別に』

しか言わないし、沙織さんも理由は知らないらしい。


私はトボトボと駅まで歩く。

剣人が入学してから半年間、毎日一緒に通ったのに…。


私は寂しくなってしまう。


それに、最近は教室にも全然遊びに来ないし、廊下ですれ違っても冷たい。


『……』


私は視界がぼやけてきて立ち止まる。


うっかり道の真ん中で泣いてしまいそう。



剣人がいない…



それが、とてもとても寂しかった。


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