サヨナラまでの距離
「そういえばさー、前にオレンジジュースの ことで喧嘩したことあったよね」

歩きながらプルタブに手をかける舞が言う。
俺も今同じこと思い出していたと言うと、「しょうもない喧嘩だったよねぇ」とあきれたように舞は笑った。

「でもね、あのときは結構悩んだよ。研一が 分かってくれないーって、友達に相談しま くったもん」

友達があきれてたのが今なら理解できると言ってオレンジジュースを飲む舞。

あまりにも同じことを考えているのが、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになる。

こういうのを以心伝心っていうのだろうか。
振られてしまった今、そんなこと考えてセンチメンタルになっても仕方がないことだけれど。
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