それでもキミをあきらめない
高槻くんの身体を押しのけるようにして、星野彗はわたしの顔を覗きこんだ。
それから、はっとしたように眉を下げる。
「けど、今、レオと付き合ってるって……」
「別れる」
はっきり言うと、星野彗の顔がぱあっと輝いた。
「え、いいの!?」
きんと声を響かせる金髪アイドルの横で、高槻くんが信じられないというように目を見開いた。
「小塚っ」
「――いいの」
自分の声が、どこか遠くから響いているような気がする。
高槻くんの顔が歪んでいくのを、わたしの目は、
他人事のようにスローモーションでとらえてる。