幸せにする刺客、幸せになる資格
大和くん、何て答えたんだろう?

「え、その答え、知りたい~」
『あの部屋に琴乃ちゃんといて、思いを互いに確認してからは勉強そっちのけでヤリまくってたんだって。で、このままでは誘惑に負けると感じて、図書館を使うようになったらしいよ』
「そう、なのね」

確かに好き合う男女が交わるのは、今の私達も変わらない。

あの時の2人のリアクションから、私もそのあたりのことだろうとは思っていたけど、勉強に影響が出るほどだったとはね。

『でも今は帰る家が同じだから、無理して図書館は使わなくなっているよな。離れでセックスしたって、その後勉強をする時間は十分にあるわけだから』
「でも、それって健全な付き合いにはならないんじゃない?」
『無理して健全な付き合いをさせる必要はないよ。あの2人は、将来を見ている方向が一緒なんだから』

色々親子の形ってあるけど、ノリと大和くんはやっぱり特殊だ。

親子なんだけど、友達のようにも見えたり。
信頼関係があるのだと。

それもこれも、ノリは自分の親を反面教師にしているようにも思えた。
自分は自分の親とは絶対に違う形の親子関係を保って見せる。

そんな風にも思えた。
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