幸せにする刺客、幸せになる資格
『新郎の友人で安西徳文と申します。隣におりますのが息子の大和、さらにその隣は婚約者の山形亜香里さんです』
3人で一礼をした。
そして、さっき目が離せなくなっていた男性が挨拶をする。
『新郎の姉の実穂の夫で井上雷太(イノウエ ライタ)と申します』
イノウエ ライタ…?
その名前が耳に入った瞬間、私は全身から悪寒を覚え、手が震え始めた。
顔だけでは判断できなかった。
あの頃はロングヘアで肌は真っ黒。
今は色は白くて髪は短い。
てもよく見れば、顔のパーツは全て一緒。
『亜香里、どうした?』
ノリはいち早く私の異変に気付いた。
でも私達の間には大和くんを座らせているため、微妙な距離がある。
ひととおり全員の挨拶が終わるまでは耐え抜いた。
「私、ちょっと外に出るね」
他の方たちに迷惑は掛けられない。
すると、私の異変をただものではないことを察知してか、同じタイミングでノリは"大和!"と呼び、結果的に3人で会場の外へ出ることになってしまった。
外のロビーでソファーに座った私。
けど、震えが止まらない。
ノリは、座っている私の横に大和くんを座らせて、自分は私の前に膝を立ててしゃがんだ。
3人で一礼をした。
そして、さっき目が離せなくなっていた男性が挨拶をする。
『新郎の姉の実穂の夫で井上雷太(イノウエ ライタ)と申します』
イノウエ ライタ…?
その名前が耳に入った瞬間、私は全身から悪寒を覚え、手が震え始めた。
顔だけでは判断できなかった。
あの頃はロングヘアで肌は真っ黒。
今は色は白くて髪は短い。
てもよく見れば、顔のパーツは全て一緒。
『亜香里、どうした?』
ノリはいち早く私の異変に気付いた。
でも私達の間には大和くんを座らせているため、微妙な距離がある。
ひととおり全員の挨拶が終わるまでは耐え抜いた。
「私、ちょっと外に出るね」
他の方たちに迷惑は掛けられない。
すると、私の異変をただものではないことを察知してか、同じタイミングでノリは"大和!"と呼び、結果的に3人で会場の外へ出ることになってしまった。
外のロビーでソファーに座った私。
けど、震えが止まらない。
ノリは、座っている私の横に大和くんを座らせて、自分は私の前に膝を立ててしゃがんだ。