幸せにする刺客、幸せになる資格
すると、亜香里はベッドから抜け出し、ネグリジェのまま棚に置いてあった封筒を持ってくると、僕にそれを渡した。

「何?」
『中を見て』

既に封は切られている。
僕は中にある書類らしきものを開いた。

2枚あり、1つは定期健康診断の個人票。
もう1つは半日ドックの診断結果だ。
もちろんどちらも亜香里自身のもの。

ともにA判定。
かなりの健康体だ。

『ノリに内緒で病院で調べてもらったんだ。健康診断は辞める前に会社でやったものだから少し前だけど、半日ドックはまだ3週間前のものだから』

そう言えば、一度だけ"ちょっと出掛けてくる"と不在にしたことがあった。
買い物にでも行くのか?と思って理由は聞かなかったし、午後3時くらいには戻って来たから。

その時半日ドックに入っていたのか。

「ごめんね。亜香里にここまでさせて」
『いいの。ノリの気持ちは分かるから。でも私、ノリの気持ちを理解しても、それでも・・・欲しい』
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