恋輪(RENRIN)
「まひるは可愛いなあ。
 25だっけ?
 うちの会社の25歳なんてもっと生意気だけど、
 お前はなんていうの?癒し系だよな。」

そう言って尚は私を抱きしめてクシャクシャっと頭を撫でる。

う~~っ嬉しいっけど、
これって、絶対小動物扱いだ。

女としては見てないよね。

尚は私を抱きしめるけど、
キスはしない。

尚は私と出かけるけど、
手はつながない。

尚は私と買い物はするけど、
デートはしない。

そう。

私は尚の特別な幼馴染だけど、
女としての特別じゃない。

ねえ、尚。

私は尚の特別な幼馴染なんて嫌なんだよ。

ちゃんと女として見てほしいんだよ。

私は尚のためにがんばって綺麗になったのに、
小さい頃のランドセルしょった女の子にしか見えてないんでしょ。
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