赤い流れ星3
side シュウ




(畜生……)



まだそれほどの時間が経ったわけではない。
なのに、こんな所でじっと見張ってる自分自身がどうにも腹立たしかった。



(やめた…こんなことして、どうなるっていうんだ?
ひかりのことなんて、俺には何の関係もないんだから……)



俺はその場を離れ、家に向かって歩き始めた。
そうだ…あいつが二股をかけられようとどうしようと、俺には何の関係もない。
気にすることなんてないんだ。



しかし、美咲さんとひかりは仲が良さそうに見えたが、こんなことをするなんて……あの二人の仲はさほど良くはないってことか?
だとしたら最悪だ。
女同士の友情は儚いとはよく言われるが、それにしても美咲さんはそんなことをするような女には見えなかったが……



(待てよ……)



でも、もしかして、美咲さんも何も知らないんだとしたら……?
美咲さんもあの男がひかりと付き合ってるってことを知らないとしたら……
……傷付くだろうな……バレた時には最悪の事態を招くぞ。



俺は立ち止まり、携帯を取り出した。
メール画面を立ち上げ、ひかりからのメールを探す。

そう……あの何度見てもいやな気分になるメール……ひかりから来た二度目のメール……



(何やってるんだ!)



俺は、苛々した気分で携帯を閉じた。



あの後、ひかりからのメールは来ていない。
メールは送っても良いって書いたのに……
その後の書き方が悪かったのか、それとも用がないからなのか、ひかりからは何の返信もなかった。
それなのに、また俺の方からメールするなんて……



(だめだ、だめだ!)

そもそも、ひかりにメールして何を伝えようっていうんだ?
おまえの男が美咲さんの家に入って行った……なんてそんなこと書けるか?
そんなことを書いたら、あいつとひかりが付き合ってることをなんで知ってるのかって話にもなるだろうし……
あぁ、だめだ……やっぱりメールなんて出来ない。
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