赤い流れ星3




「あ……」



ふと見ると、窓の向こう側が明るくなっていた。



「すみません、夜中に押しかけて来て、いつの間にか夜明けになってしまいました。」

「良いんじゃよ。
それより、今度からは和彦さんも一緒にひかりとシュウのことを相談出来てありがたい。
なぁ、野々村さん。」

「そうですね。
本当に心強いです。」

それが二人の本心かどうかはわからなかったが、そんな風に言って貰えるのは率直に嬉しかった。



「大河内さん、そのうち、俺をシュウに会わせていただけませんか?」

「あぁ、構わんよ。
そうじゃ、アッシュやマイケルも誘って、皆でシュウの店に行かんか?」

「KEN-G、僕も行って良いの?」

「もちろんじゃよ。
じゃあ、早いうちが良いな。」

早速、シュウに会うことまでが決まってしまった。
シュウに会うのは楽しみだが、亜理紗のことや美幸の嘘のせいで、なんとなくわだかまりのようなものがあるのも事実だ。
今のシュウは、俺のことはすっかり忘れてるし、プライベートで会えばぎくしゃくしそうな気もしたが、店に行くのならそういうことにもならないだろう。



「それじゃあ、そろそろ…」

大河内さんは、懐からスマホを取り出し、車の手配をした。



「和彦さん達も一緒に帰るじゃろ?」

「すみません、そうしていただけたら助かります。」



なんだろう?
今まで感じていた大河内さんへのおかしなジェラシーのような、わだかまりのようなものが急に薄らいでいた。
今や大河内さんは重大な秘密を共有する仲間のようなものだからだろうか?
今まで感じていたいやな印象がかなり変わっていることに、俺は自分のことながら驚いていた。


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