赤い流れ星3

side 和彦





(えっ!?)



旅行の疲れもあったし、精神的にも今日はどうもぱっとしなかったから、俺は珍しく真っすぐに帰宅した。
家に着いたと同時あたりにLINEの着信音が鳴り、見てみるとそれは野々村さんからのLINEだった。
恐る恐る開いてみると、それはやっぱり例の件で…



その文面はとても淡々としたものだった。
沖縄でのあの告白は、それほどたいしたものではなかったということか?
それとも、あんなこと、私は全く気にしていないという体なのか?
俺には、どちらとも判断出来なかった。



美幸から話を聞いたことと、俺がそうしたいと思うのなら、いくらでも協力するとの旨が書かれていた。
確かに、タカミーは鬱陶しいといえば鬱陶しいが、カリスマ美容師はそれほど暇じゃない。
そんなにしょっちゅう付きまとわれるわけじゃないのだから、我慢出来ない程ではない。
それに、野々村さんに迷惑をかけるのも申し訳ないと思う。



『お気遣い、ありがとうございます。
でも、俺なら大丈夫です。』



そうだ。そんな風に返せば良い。
簡単なことじゃないか。
俺は、返信画面に文字を打ち込んだ。



あとはこれを送信するだけだ。



(……なぜだ!?)



俺の指が、動かない。
送信すれば良いだけなのに、俺は一体何を躊躇っているんだ!?
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