赤い流れ星3

side 和彦

(どうすれば良い?)



俺はベッドに座り、パニックに陥っていた。
今の状況からして、昨夜何があったのかは容易に想像がつく。
正直いって、記憶はない。
だけど、これは明らかになにかがあった状態だ。
なのに、なぜ、野々村さんは?



(あぁ、だめだ!)



とりあえず、俺はシャワーを浴びることにした。
熱いシャワーを浴びたら、頭も少しは冴えるかもしれない。



どうにかして、昨夜の記憶が戻らないかと思ったが、最後の記憶はバーでのものだ。
なんだかすごく気分が良くて、立て続けに酒を飲んで…
そこから先がわからない。



ある意味、俺は病気だな。
酒で盛り上がったら、次は女性。
これは俺のお決まりのコースだ。
まぁ、相手が付き合ってる女性や、割り切った関係の女性なら問題は無いが、昨夜は野々村さんだ。
彼女は仮初の恋人。
それなのに…



まさか、俺は野々村さんを無理やり押し倒したんじゃないだろうな?
嫌がる野々村さんを無理やり…



冷や汗が流れる想いだった。
でも、俺はいままでそんな事をしたことは無い。
あったら、女性からも何か言われるはずだ。
記憶はなくとも、そういうことだけはないと思うのだが…



じゃあ、どういうことだ?
野々村さんは、恋人役だからそういうことも受け入れないといけないと思ったのか?
真面目な野々村さんだけに、ないとはいえない。
もし、そうだとしたら、俺はどうすれば良いんだ!?
< 577 / 761 >

この作品をシェア

pagetop