赤い流れ星3




「えっ!?どういうことなんだ?」

「何を驚いてるんだ。
10時に迎えに行くって言っただろ?」

「それはそうだけど…」



俺が驚いたのは、後部座席に、ひかりと野々村さんがいたからだ。
てっきり、今日はカズと二人で遊びにいくんだと思ってたから。
俺は、助手席に座った。



「……ダブルデートだ。」

「なんだって?」

「だから。たまにはこんなことでもして、画像を残しとけば、タカミーにも多少は効果があるかと思って。」

「そうだったのか。」

「お前たちはもう大丈夫みたいだからいいけど、俺達のことはまだ諦めないってハッキリ言われてるからな。」

「確かにな。」



だけど、それなら、何も俺達まで誘わなくても、野々村さんと二人で行けば良いのに。
カズは、野々村さんのことが苦手なんだろうか?
カズほどのプレイボーイなら、苦手なタイプなんていなさそうだけど。



そう思った時、ひかりの顔が頭をよぎった。
俺も恋愛面ではカズに引けを取らないと思うが、確かに俺もひかりが苦手だ。
嫌いだという意味ではない。
なんというか、ひかりに関わるとなんとも調子を狂わせられるんだ。
今まで身近にいなかったタイプだからなんじゃないかと思うけど、とにかくうまくいかないんだ。
< 602 / 761 >

この作品をシェア

pagetop