【短編】愛して欲しい。



気付けばキスしてて。

柄にもなく胸がドキドキうっさくて。


莉衣の頬に掌を当てると、ほんのり赤くなった頬が熱くて。



やべぇ。
本気でそう思った。



それを嫌がるどころか、求める莉衣。

俺を愛くるしい瞳で見つめる莉衣。

俺の名前を可愛い声で呼ぶ莉衣。



たった何時間かだけど。

俺の事を好きになってくれたんだ。

って思ったら嬉しくなった。


俺も好きになってた。

こんな最短な恋は初めてだったけど、本当にそう思ったんだ。



『……好きだ』



普段なら滅多に言わない。



ましてや、ヤッてる最中に言った事すらない言葉を言っちまったのかもしれない。

その時の莉衣の嬉しそうな顔を見て、
今までの女達が好きって言って!
って怒ってた理由が少しわかった気がした。



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