Only

次の日。

いつも通り優奈と登校して自分の席につくと、

斜め前の‘‘ひかる”が視界に入った。

まだ8時ちょっと過ぎ。

結構早めに登校してるあたしだけど。

コイツも結構早登校なんだ…

まあ、机に突っ伏して寝てるけど。

…ってあたし何考えてんの!?

王子様なんて寝かしておけばキスで起きるんだ。

寝かせとこう。


…まてよ、キスされるのは白雪姫で、

キスすんのは王子様だぞ?

その前に誰がキスするんだ?

ああああ、何か本当コイツがいると狂う。


すると、ニヤニヤした悪い顔の優奈がこっちに来た。

「王子様にフォーリンラブ??」

「な…っ、聞こえる!
って何でフォーリンラブよ!あり得ないから!」

ヤケになって鞄から教科書を取り出す。

…あり得ない。

まだニヤけたままの優奈にもう一度釘を打ち、授業の準備をはじめる。


…絶対、王子なんか好きにならないし。

なんか面倒じゃん。


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