Only
猫の手も借りたいとはまさにこの事だ。
予算の残高を計算していると。
「宮本ー!フェルト無くなったー!
赤と黄色のフェルト買ってきてー!」
フェルトをヒラヒラさせながら言う長浜。
出たよ……
買い出し命令。
買い出しも実行委員の仕事。
「あーもーうるせーな…何枚よ?」
「10枚入りのやつ!よろしくっ!」
ったく…
俺はパシリかよ!
イラッとしていると、ある異変に気が付いた。
長浜の隣にはいつも輝がいるはずなのに、今日はいない。
まあ…何処かに材料か何か取りに行ったんだろう。
そんなに深く考えずに、残高が入ってる封筒を手に、教室を出た。