Only

そう言い残して。

大地は部活へ戻っていく。

…宣戦布告をされた気分だ。

頭が空っぽになって、何も考えられない。


“輝んとこには、行くなよ?”


全てを見透かすような、瞳で。

もう輝はお前のモノじゃないと、手を出すな、と威嚇するように。


…何でだよ…

何でこうなるんだよ!!?

“輝はまだ、お前を想ってる…”

輝。

俺もまだ、変わらずお前だけを想ってる。

何をしてても、輝だけが浮かんでくる。

全て消そうと、もがき、苦しんでも消える事のない想い。


俺は。

どうすりゃいい?

校門の前で、途方に暮れていると。

「そんなに悔しい?窪田君に飯尾さんを盗られるのは」

嘲笑うように、俺の後ろで囁く…


星野がいた。


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