Only
「…ただ、あたしがここにいていいのかなって、考えてた」
「ここに?」
「大地の、腕の中」
「何をいきなり」
苦笑いする大地。
…急に押し寄せる不安感と罪悪感。
あたしが大地に支えられる資格なんて
…ない。
それどころか、大地を傷付けるんじゃないのか?
もう、傷付けてるかもしれない。
そう考えると…恐い。
泣きそうになるあたしに、大地が抱き締める強さを更に強くして、訊いた。
「…俺の事、好き?」
小さな声。
不安と、儚さと、切なさを含んだ、声。
泣いたら、誤解される。
ちゃんと、答えなきゃ。
“好きだよ”って…
だけど心は嘘をつかない。
涙が溢れる。
止まることなく、流れる。