Only
「俺、一緒にいられて良かったって思う。真面目に。
だから輝は泣かないでよ。俺といた時間まで、否定される気がするからさ」
「…っ、大地…。分かった、泣かない」
大地が望んでいる事に応えられなかったあたし。
そんなあたしをまだ優しく包んでくれる、儚い灯り。
…闇の中、道を照らし続けた灯り。
「よし!この話は終わり!あとは上手くやれよ、輝」
膝をパンっと叩いて立ち上がる大地。
その笑顔は、前のような哀しみを含んだ笑顔じゃなくて。
太陽のような笑顔だった。
「大地」
「ん?」
あたしね。
あなたがいなかったら、今頃どうなってたんだろう。
甘えすぎて。
傷付けてしまったのは事実。
でも。
「ありがとね」