さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
潤一さんが選んでくれた美しいメロディは、あたしを幸せな気持ちにしたけれども、同時にたまらなくもの悲しい気分にもした。


潤一さんは、どうして、これをくれたのだろう?

この宝石箱に、何を入れればいいのだろう?


潤一さんに感謝のメールを送りたいけれども、送ると、一層悲しくなりそうだった。

(明日、潤一さんに何かプレゼントをあげよう)

そのときに改めてお礼を言うことにしよう。そう思って、繰り返しネジを巻いてオルゴールを聴いた。


< 201 / 211 >

この作品をシェア

pagetop