さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
父はパンフレットをちらっと眺めると、茶を飲み込んで、おもむろに言った。

「だめだ」


「だーいじょうブイ、ブイ。北海道に麻理の大学生のいとこがいて、その人と一緒に旅行するんだから。

もちろん、女の人よ。

危ないことはしません。気をつけます。
だから、おねがいっ」

手を合わせて拝んだ。


昔気質の父が、簡単に高校生の女の子の旅行を許すなんて思っていない。


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