理想の都世知歩さんは、
揺れる視界。
顔を上げた都世知歩さんを見上げて、見える世界に映す。
都世知歩さんの目元には影が落ちていて、そこから覗く真っ直ぐな眸が哀しそうにしていて。
次の瞬間、頬を思い切り抓られる。
「痛!!」
ふい、と顔を背けてしまう彼の背を追う。
私は、手のひらに触れる冷たい感触に思わず顔を上げた。
「…お前、すぐどっか行っちゃうから」
背中越しに届いた声。
「――――、――――――」
言葉にしてはいけない想いが、初めて、はじめて喉の奥の奥を引っ掻いた。