理想の都世知歩さんは、




『服?ああ』


未だ脳みその半分以上が寝てるんじゃないかってツッコミたくなるようなテンションで口を開け、『ああ』と。

言いながらこっちに一歩寄ったから、反射的に一歩下がる。

ケッと吐き捨てた彼は私を通り越して、右手の椅子に掛かっていた上スウェットを手に取って頭から被った。目の前に同じ、洗剤の香りが浮かぶ。

『…』


ぜ、ぜ絶対今、後ろに壁があったらアレ状態だった…。


話題の、アレをされるところだった。



心臓が物凄い音を立てて暴れている。


云わぬ恋とは恐ろしいものだ。



『で?…今日。テレビ観に来なくなった?』

『あえ、えと、早起き出来なくて』


小さな嘘を、吐いてしまった。


行けなくなってしまうに決まってる。



『ふーん。また気でも遣い始めたのかと思った』



そう言って何の気も無しに髪を掻き乱すから。



嘘を吐いたばかりの心に痛みと甘みが刺して。くるしい。





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