初恋は雪に包まれて


簡単な片付けを終えると、スタッフルームへ向かう。何人かのスタッフと挨拶を交わし、そのまま更衣室へと進む。


「私も思ったの。」

「そうなんだ、まぁ私の位置から見ても好き好きオーラ出まくりだったしね。」

「す、好き好き……。」

それって、私も出てないのかな。大丈夫かな。もし出てたら恥ずかしすぎるんだけど。


「っていうかさぁ、いきなり現れたね。」

「うん?」

制服を脱ぎながら、何が現れたのだろうと考える。

既に私服へと着替えが済んだ彼女は、ロッカーの扉に備え付けてある鏡を見ながらメイクを直している。

そして最後に、ローズピンクのグロスを綺麗に塗り直すと、勢いよくこちらを振り返る。


「何ってそりゃあ、」


恋のライバル?


そう可愛らしく首を傾げる夕ちゃん。

ライバルって。しかも、恋のライバルなんて!


「ゆっ、夕ちゃん。」

「負けるなよ、日和。」

「えぇぇ……。」


恋のライバル、とやらが出現したようだ。

……果たして、どうなるんでしょうか。

< 89 / 134 >

この作品をシェア

pagetop