月光-ゲッコウ-


逆に考えれば良かったじゃない。

しばらく第一秘書の地位は奪われる事はない。


そう


振り回されてはいけない。



男はこうして女を惑わすモノ。



あたしは社長の愛人で、月々に貰える愛人料を肥やしに



あたしは1人で生きる為の蓄えにする



今までと変わらない



あたしがしっかりと意志を持っていればいい事



何も悩む事もない。




シャワーの音が鳴り止み、社長が出てくると帰りの支度を手伝う。

支度が整うと、ホテルのロビーに一緒に降りる。


今日は休日だから、ドライバーもお休みだ。


「今日はタクシーに一緒に乗ろう。先に家まで送るよ。」


『え、でも…』


えたしが返事をしおえる前に、社長はタクシーの方へ向かった。


別々が良かったな…。


だけど仕方ない。


社長の望みなら、断れない。


社長に続いて、タクシーに乗り込むと車は走り出した。


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