月光-ゲッコウ-



最上階に着くと、そこはバーになっていた。


入り口には【white moon】とかかれてぃた。


白い…月…?


このホテルの名前は【pearl moon】


あたしが好きな月ばっかり…


加雁さんについて入ると、壁一面ガラス張りの席に座った。


夜景が綺麗…


何よりも、月が近い。



おすすめのカクテルを頼み、再びグラスを重ねる。


話し…はぐらかされた感じだなぁ。


流される間にここに来ちゃったし。


でも、月が綺麗に見える。

ついてきて良かったかな。

「これに見覚えあるだろ??」


急に加雁さんは言葉を放ち、テーブルの上に何かをおいた。



こ…れは…ッ!


白の三日月のネックレス。

せれは、あたしが3年前に無くしたモノだった。


なんで、加雁さんが!?


「千歳は俺の顔なんか覚えてないだろうが、3年前に1度、俺はお前と会った事があるんだよ。」


会った…事がある?


嘘…でしょ?


またこういう手口で惑わすつもり?


でも、このネックレスは…あたしのだ。


世界に一つしかない、ネックレスだからわかる。


知り合いにわざわざ作ってもらったもの。


だから、誤魔化し様がない。


でも、どこで会ったっていうの!?


「3年前、おまえが小田切社長の第一秘書の地位に付いた次の日、六本木のジュエルというバーで千歳に絡まれたって言えば、少しは思い出せるか?」



3年前…


社長の第一秘書になった次の日…


あっ…


あたしの記憶は一気に3年前のあの日を思い出した…



< 38 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop