【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
3..panic3

それからの小川との関係は、本当に「友達」。

たまに一緒に帰ったり、寄り道したり。


校舎ですれ違えば会話を交わすし、

小川が告白されてる現場にうっかり立ち入っちゃってからかったりもした。



「先輩っ

昨日なんであんなところにいたんですか?!」


告白現場を見られたのがよっぽど恥ずかしかったのか、翌日、小川は朝からオレにつっかかってきた。


「たまたまだって~。

別に誰にも言ったりしてねぇから安心しろって」


オレがへらっと笑って言うと、小川はむっとした表情を浮かべてオレを睨みつける。

…オレの事が好きなはずなんだけど、そんな部分はまるで顔を出さない。


もうとっくに小川の中では「お友達」なんかな…


ふと思う事を、少しだけ寂しいなんて感じるのは、情けない男の性だろうな。


「覗き魔」


「ひっでぇ(笑)

本当にたまたまだったんだって」


「じゃあなんであの後すぐ帰らずにあたしをからかったりしたんですかっ」


…確かに。

いや、つい面白くなっちゃって。なんて言えねぇ…


「じゃあ…分かった。

今日の放課後クレープおごってやるからそれでチャラな」


オレの提案に、小川は少し眉をしかめて…渋々といった感じで頷いた。

このお姫様は朱莉以上に気難しいな…


まぁ、怒ってもクレープで収集されちゃうんだからいいけどさ。


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