【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜


「もう授業始るぞ。

教室戻った方がいいぞ~」


オレの言葉にはっとして時計を見た小川が、慌てて教室を出ようとして…

オレを振り返った。


「なに?」


何かあったのかと思ってオレが近づくと、小川は少し俯いて…


「告白…断りましたから」


そう呟いた。


小川がわざわざオレに伝えた事実。

その事で小川はオレに何かを伝えようとしているのかと、オレが口を開こうとすると…


オレより先に小川がオレを見上げてきた。


「だって、あんなひやかされた後、そんな雰囲気になるわけないじゃないですかっ

上手くいくもんも山岸先輩が入ってきちゃったら上手くなんかいきませんっ」


きっと強い眼差しで見つめながら言われた言葉に、オレが表情を緩めると、小川がふっと笑顔になった。


はにかんだような…優しい笑顔。


「いや~、わりぃわりぃ」


「クレープ、忘れないでくださいね!」


そう言って廊下を走っていく小川を、オレは教室のドアにもたれかかりながら見ていた。


小川の短いスカートが走る度にヒラヒラ揺れる。


長く伸びる白い足に、長い黒髪。

大き目の強い力を持った目に、キュッと結んだ唇。


友達として見れば、かなりの美少女。


あの性格も…慣れれば別に。

可愛いもんだろ。



「小川さ~ん、廊下は走っちゃいけません」


後ろからオレが大声で言うと、振り返った小川がオレを睨んでから舌を出した。


思わずふっと笑みをこぼすと、小川はそんなオレをまたじっと見た後階段を下りていった。


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