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対戦車ロケット
石井は千代田区のネットフォン本社の応接室に入っている。革張りの重厚なソファーに捜査官一名と座っている。SAT隊員は部屋の外で警護している。

暫くして、二人の男性が入ってきた。満面の笑顔で、石井たちの前に座った。石井たちは名刺を出し、定番の挨拶をした。田中広報室長とその部下の広瀬だ。

「昨日も、警察庁の方が来られましたが、どのようなことでしょうか?」

「ニュースでご存知と思いますが、警察庁がテロ攻撃を受けました。武器はネットフォンの携帯電話です」

「そんなことは有りません。携帯電話が武器などになりません」
田中広報部庁は大きく手を振った。

「ネットフォンが関わっているとは、思っていません。犯人が侵入しているのです」

「当社のシステムは万全です。一切侵入は有りません」

「侵入がないにしても、内部犯行と言うことも考えられます。社内調査の実施をお願いしたいのですが?」
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