小さい私のステキな彼氏
遊園地の出入口には志島さんとあの女の人がいた。
「にいちゃーん!」
志島さんが見えた春斗くんは大きい声で志島さんを呼んだ。
「あ、春斗!走ると危ないから気をつけるんだぞ」
何か、こう見ると志島さん、お父さんに見えるなー
「ふふっ」
「ちよ、何笑ってるの?」
声に出して笑っていたみたいでののちゃんに不思議がられてしまった。
「ううん、なんでもないよ!」
「そお?まぁ、いいや。私、あそこの売店いるから春斗くん帰ったら来てねー!」
ののちゃんはそう言って売店の方に行ってしまった。
「お姉ちゃーん!」
志島さんたちがいる方を向くと、春斗くんが私を呼んで、おいでおいで、と手を振っている。
「ちよちゃん、今日はありがとう。春斗と一緒じゃ、楽しめなかったんじゃないか?」
志島さんは申し訳なさそうな顔をして言った。