先輩。
「俺もね、ゴム弓練習の時下手くそでさ。なかなか弓持たせてもらえなかったんだよ」
「えっ…⁉︎そうなんですか⁉︎」
慎矢先輩、今はトップなのに⁉︎
「うん。恥ずかしい話なんだけどね、みんなより遅れてスタートしたんだ」
スッ…。
先輩があたしの手の中からゴム弓を抜き取る。
そして、ゆっくりと引く。
「でも…っ、追いつくことはできた」
わっ、キレイな射の型…。
トクン…ッ。
パァンッ。
こんなに目の前で見られたなんて、嬉しい!!
「本気で上手くなりたいって思ったからね」