好きの気持ち
「阪奈。トワくん、来とるよ。」

台所から母親の声が聞こえた。私は返事をしないで布団を深くかぶった。すると部屋のドアが開いて誰か入ってきた。


「阪奈!!」

布団を思い切りはがさてれ、顔を上げるとトワだった。怒ってもいない、ただ真剣な顔だった。

「卓球やめるってホントか?!」

「好きじゃなか!!」

「だったら、オラが好きにしてやるけん!!」

トワはそう言うと小指を出してきた。

「なに、それ?」

「指切りげんまんじゃ。隣町で教わったけん。約束じゃ。」

指切りをしたあとに、すぐに手を掴まれて家を飛び出す。

「オラ、阪奈がおらんとつまらんけん。」

トワの耳がほんのり赤かった。
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