裏ヤン先生に愛されます


電車に乗ると、あたしの横は争奪戦。

だけど奏平が勝ち取った。

類があたしの目の前で、類の横に真希。

虎安クンは、1人向こうの席でケータイを見つめている。

「…アイツ、ケータイで何見てるんやろ。

また変な計画でも練っとるんやろうか」

「違うわ!メールしてんだよ!」

虎安クンが、きゃんっと鳴いた。

「犬…」

「ワンコ…」

奏平と類は苦笑していた。

真希は犬だと、面白がった。

「あいら、あんなヤツ置いてこっちおいでよ」

「…じゃあ10分後行くね」

「駄目や!あいちゃんは俺のモンや!」

「「センセーのだ!」」

類と虎安クンが声をそろえて言い返した。

あたしは「うっ」とうめいた。

「何や。何や!!!」

奏平はぎゅっと拳を握り締めて、俯いた。

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