裏ヤン先生に愛されます
「ねぇ…せっかく電車にまで乗ってるんだし。楽しくしようよ…」
「分かった」
あたしが言うと、奏平は座りなおした。
そして窓の外を眺めていた。
(空気悪い…)
10分経ったから、虎安クンの隣に座った。
「誰からのメールなの?」
「優衣」
「喧嘩中だったんじゃ?」
「…気まぐれだよ、あんな喧嘩」
案外2人ともちゃんと、好きだったんじゃないかな。
それが本当の恋愛なら、もう1度やり直せばいいのに。
だけど、それは言えなかった。
お互いの問題に口出しするのは、よくないと思ったから。
「…彼女さん、綺麗かなぁ」
「どーだろうね」
虎安クンはようやくケータイを閉じて、目を瞑った。