裏ヤン先生に愛されます
「あいちゃん、よかったな」
ポンッと頭を撫でてくれた。おっきな手だけは本当に、男の子みたい。
時々ワンコに見えるけど、頼もしい。
「ほらー、イチャつかない」
センセーがこっちに来て、鋭く言った。
視線が重なったとき、不機嫌そうに見えた。
「センセーはどこの委員会の顧問ですか?」
「…文化」
「え」
「奇遇だな」
ボソッと耳元で囁かれた。それを奏平が見逃す訳がない。
「ちょぉ、近いで。センセー」
ぐいっとあたしを抱き寄せる。
「そ、奏平」
「あいちゃん、ほら。席つくで」
「う、うん」
センセーは明らかに、笑っていなかった。どんどん頬をふくらませていた。