裏ヤン先生に愛されます

「…お前は、犬賀のことも気になるんだろ？」

「それは…ずっと傍にいたから」

「ちげぇよ、そんなの。お前は一途じゃねぇんだよ」

「どうしてそういうこと言うんですか？」

あたしはセンセーを睨んだ。

（苦しい思いをしているのは、あたしもなのに。

どうして分かってくれないんだろう。奏平より、きっと。

センセーが好きなのに）

「お前の好きは違うって言いてぇんだ。

同情でアイツの傍にいるのはやめろ」

「…そんな」

「俺がホントに好きなら。だけど、違うなら。俺とはもう関わんな」

あたしの頬に涙が伝った。

「…友達として、彼の傍にいたいんです。

あたしは…きっとセンセーが好きです…」

「…正直なのはいーけどな。でも…俺がマジでお前に惚れてんだから。

覚悟しとけよ。離す気なんて、さらさらねぇから」

（…センセーは本当に不良。なのに、あたしはどんどんイケナイ世界に踏み込んでいっている）

戻れない世界にいるなら。もう戻らなくていいかも知れない。